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(母と息子の本音トーク)
塩野七生×
アントニオ・シモーネ
愛し、つき放す、

イタリアを舞台にした数々の歴史小説が幅広い世代に支持され、現在もローマに住みながら精力的に執筆を続ける作家・塩野七生さん。映画製作を志す息子のアントニオ・シモーネさんと来日した機会に、お二人揃って『婦人公論』にご登場いただきました。「いつもいつも母親らしい態度でいるわけじゃない」と語る塩野さん。映画から男女の機微、塩野さんの離婚にまで及ぶ母と息子の本音トークをお楽しみください

塩野 私はあなたという息子を持って、ずいぶん得をしたと思っているのですよ。私たち親子は、とてもおしゃべりですけど、親子の対話の何がいいかと言ったら、他の人とはそう気軽に話せないことでも話せるっていうところ。文学や芸術はもちろん、男と女のことまでなんでも。なかでも二人の間でよくテーマとなるのは映画ですが、私自身が両親から、書物と映画は同格という意識で育てられたように、あなたにも同様の教育を与えてきたのよね。

アントニオ ママの娘時代の理想の男だったゲーリー・クーパーの出演作はすべて観せられました。また、僕がヴィヴィアン・リーを好きになったのも、ママが観ろと言った『哀愁』がきっかけでしたね。

塩野 あなたが今、私に観なくちゃいけないって言っていたのは何でしたっけ?

アントニオ 『カポーティ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマン主演の『THE BOAT THAT ROCKED』。邦題では『パイレーツ・ロック』ですね。

塩野 そう、暇があったら観てみましょう。私のように年を重ねつつある女でも、無理せず若者の文化に接することができるというのも、子供と話をすることの利点の一つです。ただ、あなたのほうは、母親との間で男と女の話をすることに気づまりを感じたことはないの?

(『婦人公論』2010年2月22日号より一部抜粋)

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婦人公論 2010年2月22日号(2月7日発売)
定価550円(本体価格524円)
表紙: 矢野顕子

2010年2月22日号(2月7日発売)

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